BLOG
ブログ
TOPIC
2024.1.5
技能実習生問題は業界の要望を反映へ 国内縫製工場アイエスジェイエンタープライズ
経済産業省製造産業局長に聞く 伊吹英明さん 人手不足、人権、環境への対応を支援 技能実習生問題は業界の要望を反映へ
2024年01月01日更新 コロナ禍で、繊維・ファッション産業の様々な課題が改めて浮き彫りになった中、経済産業省が繊維産業政策を強化している。23年7月に繊維業界を所管する製造産業局長に就任した伊吹英明氏に今後の方針などを聞いた。 ――繊維産業の現状は。 23年はコロナ禍から脱しました。ただし、全体として、コロナ前には戻っていません。 大きな要因の一つは人手不足です。繊維産業の場合、通常の働き手が足りないことに加え、後継者不足が深刻です。後継者がおらず、廃業に追い込まれる事業者も出ており、サプライチェーンに大きな影響を与えています。 一方で、ITを積極的に活用したり、海外市場に挑戦するなど頑張っている企業もあります。経産省が選定した「次世代を担う繊維産業企業100選」に選ばれた企業を視察すると、未来に向けてしっかり投資をしているところもあると感じています。行政としても支援していきます。 ――繊維産業政策の課題は。 一つ目は人手不足の中で、外国人労働力をどう活用するのかという点です。国として技能実習制度を見直し、(日本での在留可能期間が長くなる)「特定技能」の対象業種を拡充する方針で、繊維業界からも対象に加えてほしいとの要望が以前から出されています。 しかし、繊維業界では、実習生に対する(規定を上回る長時間労働や残業代未払いなどの)法令違反が過去に散見されました。こうした中、日本繊維産業連盟(繊産連)が昨年に人権対策のガイドライン「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」を策定し、法令をしっかり守り、人権対策に取り組む機運は高まっています。 一方、業界団体加盟企業はしっかり対応していますが、加盟していない事業者の中で法令違反があるのが課題です。業界全体として引き続き、法令違反をなくす取り組みをしていかなければなりません。ただし、取り組みは前進しており、業界の要望を反映すべく、関係省庁に話をしていきます。 二つ目はサステイナビリティー(持続可能性)への対応です。欧州では人権や環境対策でガイドラインや法令を整備しています。日本でも対応が必要で、特に海外で事業を行う上で不可欠になってきました。 三つ目は(下請け取引での)価格転嫁です。経済全体としてインフレが進行している中で、価格転嫁をしっかりやっていかないと賃金を上げられず、人も採れません。サプライチェーンを守るためにも重要です。 ――今後の重点政策は。 23年11月に1年半ぶりに産業構造審議会繊維産業小委員会を開始しました。23年9月にまとめた「繊維製品における資源循環システム検討会」の報告書をもとに、環境配慮設計ガイドラインの策定やケミカルリサイクル技術などへの支援などを進めていきます。 繊産連が企業行動ガイドラインに沿った行動を促すために実施している「責任ある企業行動実施宣言」の宣言企業は約760社、(政府が取引適正化を目的に実施している)「パートナーシップ構築宣言」の繊維での宣言企業は535社になりました。人権や取引適正化への取り組みを個社に徹底します。 (政府が23年11月2日に閣議決定した)総合経済対策には大規模な省力化投資への補助金など業界が活用できる様々な支援策があり、業界への周知を強化します。経産省とジェトロ(日本貿易振興機構)、中小企業基盤整備機構が22年12月に開始した「新規輸出1万者支援プログラム」の様々な政策ツールを活用して、海外市場への取り組みも応援していきます。OTHERSその他の記事
CONTACTお問い合わせ
縫製をご依頼されたい法人様へ
まずはお気軽にお問い合わせください。