BLOG

ブログ

TOPIC 2022.10.19

田上経産省生活製品課長に聞く 「人権対策」「取引適正化」が繊維産業政策の重点 産業全体をサステイナブルに 繊研新聞より

MSI協同組合代表理事で当社株式会社アイエスジェイエンタープライズ代表取締役 井川貴裕が、

全国の繊維事業所、労働団体、自治団体などから集められた300社(団体)以上の署名と共に、

繊維職種(縫製)を特定技能制度へ追加していただけるように、

経済産業省製造産業局生活製品課へ要望書を提出致しました。

早速、繊研新聞紙面にて田上経産省生活製品課長のお言葉が掲載されました。

田上課長 『実習生に対する法令違反(最低賃金・時間外割増賃金などの不払い、違法な時間外労働など)をなくすことが大前提です。』

ごもっともなお話しです。

残念ながら、いまだに不当労働行為を行なう悪徳縫製工場が全国的に散見されます。

適正価格以上の加工賃が支払われていれば、わざわざ不当労働行為を行なわなくてもビジネス(縫製工場の運営)は出来ます。

適正価格以下の加工賃の仕事であれば、その仕事を受注しないことが不当労働行為を無くすことに繋がります。

先日も、企業向けユニフォーム会社から

『8サイズ70枚のスカートを1500円程度で縫えませんか?』とか

百貨店に店舗を構えるブランドから、

『ワンピース(定価2万円程度)を1600円で縫ってください』など、

国内縫製業では、到底考えられない低価格での問い合わせ(依頼)がありました。

当たり前の話ですが、その金額で縫えるはずがありません。

日本国には、労働法、最低賃金法などがあります。

仕事を出す側の資質の問題も有ると思います。

そのような悪質なアパレル事業者から受託していた縫製工場の多くは、違法な賃金体系で操業し労働問題(労働争議)へと発展し、

労働局、労働基準監督署、出入国在留管理庁、外国人技能実習機構、各支援団体などから指摘を受け、

縫製工場としての事業を継続できなくなります。(廃業・倒産・自己破産など)

可哀想なのは、取り残された外国人技能実習生です。

悪徳縫製工場で被害に遭った外国人の技能実習困難者の転籍先(再就職先)を、正しく事業(縫製)を行なうホワイト縫製工場が引き受けています。

2022年10月現在、20名以上の技能実習困難者をMSI協同組合所属の多数の組合員企業(縫製工場)が、

支援を行なうため名乗りを上げています。

違法な悪徳縫製工場の話題は新聞やニュースで見られますが、

救済・支援・保護に乗り出しているホワイト国内縫製工場の事は、それほど報道されません。

悪徳縫製工場があるのも事実ですが、国内製造業として次世代に正しい形で残ろうとしている縫製工場があることも、ぜひ知って欲しいですね。

 

田上経産省生活製品課長に聞く 「人権対策」「取引適正化」が繊維産業政策の重点 産業全体をサステイナブルに

繊研新聞2022年10月19日より
田上課長
田上課長

 コロナ禍で繊維・ファッション産業を取り巻く環境が激変するなか、経済産業省は産業活性化のための新たな政策を進める。今年5月には30年に向けた繊維産業の方向性と政策を示した「繊維ビジョン」を公表した。繊維・アパレル業界を所管する製造産業局生活製品課長に7月1日付で就任した田上博道氏に今後の重点方針を聞いた。

(有井学)

 

しっかり価格転嫁を

 ――繊維産業の課題は。

 課長就任からの約3カ月、業界団体の方々から様々な話をうかがい、産地もいくつか回りました。足元で起こっている問題として、コロナ禍に加え、「原材料費やエネルギー価格の高騰で非常に大変」との声を多く聞きました。原材料費などの上昇分をしっかり価格転嫁ができるように、親事業者と下請け事業者の取引適正化を進めなければなりません。

 7月末に日本繊維産業連盟(繊産連)がILO(国際労働機関)と共同で企業行動ガイドラインを出したように、信頼される産業になるためには人権対策が重要で、大きな課題です。環境対策も「非常に重要」との声も多くいただきました。

 

 ――取引適正化促進策は。

 繊維産業全体がサステイナブル(持続可能)になるために、親事業者が取引先に対して、適正な量を適正な工賃で発注し、長時間労働などを強いることがないよう、業界に働き掛けていきます。

 「パートナーシップ構築宣言」(政府が20年6月から企業に策定・公表を要請している企業間の共存・共栄、取引適正化のための自主行動宣言)に業界はもっとしっかり取り組んでほしい。宣言企業は全体で約1万4000社で、繊維業界は171社(繊維工業業種、10月11日時点)あり、繊産連の役員企業をはじめ、大手企業の大半は宣言をしました。

 しかし、発注側の中小企業の宣言がまだまだ少ないのが課題です。繊産連が下請中小企業振興法「振興基準」の改正に沿って8月末に改定した業界の「自主行動計画」と併せ、所管する中小企業庁と連携しながら、しっかり周知していきます。取引適正化をしっかりすれば、業界での働き方改革、業界全体のイメージアップにもつながり、人権への対応にも貢献できると考えています。

 

 ――外国人技能実習生対策については。

 業界団体や産地から、実習生の在留期間が従来より長くなる「特定技能」に繊維も加えてほしいとの要望をうかがいました。こうした声に応えるためには、他産業に比べて多い、実習生に対する法令違反(最低賃金・時間外割増賃金などの不払い、違法な時間外労働など)をなくすことが大前提です。法令順守を実習実施者に徹底します。

 発注工賃の水準が低すぎることも法令違反が多い大きな理由です。取引適正化を推進していかなければなりません。

 

自主行動宣言を発表

 ――人権と環境対策は。

 人権については繊産連のガイドラインの周知がまず重点。私自身も繊産連と連携し、産地などで説明しています。環境に関しては、繊維to繊維リサイクルを含めた技術開発支援と社会実装のための仕組み作りを進めます。5月に繊維ビジョンとともに策定した「繊維技術ロードマップ」の実現に向け、(経産省所管の)NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と同機関の予算を活用した技術開発支援の検討を始めました。

   

 ――繊維産地を持つ自治体で構成する「繊維産地ネットワーク協議会」が始まった。

 7月27日に開始、9月29日に2回目の会議を開きました。繊維ビジョンで提起した施策に沿ったもので、自治体間の情報共有と連携強化が目的です。各自治体の課題や情報も共有できてきました。この動きを継続して、国として支援していきます。

 年内に3回目の会議を開き、各自治体のトップなどを集めた「繊維産地サミット」を来年1月に行う予定です。繊維ビジョンで提案した「ファッション・ビジネス・フォーラム」の中で実施します。外国人技能実習を含めた人権対策、環境対策、取引適正化策などに対する「自主行動宣言」を発表します。

OTHERSその他の記事

news
NEW 2025.11.7

当社及び当社代表の、テレビ・新聞・書籍・雑誌・WEB等のメディア出演及び掲載 実績(2020年以降)

当社及び当社代表の、テレビ・新聞・書籍・雑誌・WEB等の出演及び掲載 実績(2020年以降) 《縫製業のリアル~工場アンケート調査から~》⑨ 特定技能の活用 受け入れ進むが課題も浮上 2025/11/04 繊研新聞 …

続きをみる
news
NEW 2025.11.7

日本製衣料品の国産自給率が1.4%に――今、アイエスジェイエンタープライズが取り組むこと

日本の衣料品生産はこの30年で劇的に変化しました。 過去30年余りで日本の衣料品市場は国内生産からほぼ完全に輸入に依存する構造へと変化しました。国内製品は現在、市場において「希少価値」のような存在とな…

続きをみる
news
NEW 2025.11.5

大量生産縫製(大ロット)について 国内縫製工場アイエスジェイエンタープライズ

大量生産縫製 当社は、高品質な大量生産に対応する国内縫製工場アイエスジェイエンタープライズです。 アパレルブランド・メーカー・広告代理店・百貨店・商社・テレビ通販・カタログ通販様向けに、 レギンスパ…

続きをみる
news
NEW 2025.11.5

小ロット(少量)縫製について 国内縫製工場アイエスジェイエンタープライズ

小ロット生産縫製 当社は、ドメスティックブランド(国内ブランド)や新進アパレルブランド向け・デザイナーズブランドの小ロット縫製も可能な国内縫製工場です。 サンプル縫製から量産前の試作、限定コレクショ…

続きをみる
news
NEW 2025.11.5

サンプル裁断・サンプル縫製について 国内縫製工場アイエスジェイエンタープライズ

サンプル裁断取引先募集 当社では、サンプル裁断のみのご依頼にも対応可能です。 アパレルメーカー様・パタンナー様・デザイナー様・繊維商社様向けに、小ロット・試作段階の裁断外注を承っております。 国内…

続きをみる
news
TOPIC 2025.10.31

日本製縫製の強みとは?品質で選ばれる理由 国内縫製工場アイエスジェイエンタープライズ

日本製縫製が評価される理由 「日本製の縫製はやはり違う」と言われる理由は、その品質の安定性と仕上がりの美しさにあります。日本の縫製工場では、熟練した職人が一針一針に心を込め、ミリ単位の精度で仕上げを…

続きをみる
news
TOPIC 2025.10.31

熟練の職人が支える、日本の縫製技術 国内縫製工場アイエスジェイエンタープライズ

熟練の職人が支える、日本の縫製技術 日本製 縫製 / 職人 技術 / 高品質 / 国内生産 一針に宿る、職人の誇り 株式会社アイエスジェイエンタープライズの製品には、職人の技と想いが込められています。一…

続きをみる
news
TOPIC 2025.10.22

日本製・国内縫製工場なら株式会社アイエスジェイエンタープライズ

日本製・国内縫製工場なら株式会社アイエスジェイエンタープライズ 当社は、**日本製の国内縫製工場(繊維製品の委託加工工場)**として、岐阜県に拠点を構える **株式会社アイエスジェイエンタープライズ(経済…

続きをみる
news
TOPIC 2025.10.22

日本唯一のファッション専門職大学院卒業生が支える高品質な日本製縫製|国内縫製のプロ集団・株式会社アイエスジェイエンタープライズ

株式会社アイエスジェイエンタープライズは、   日本製縫製・国内生産にこだわる高品質なアパレル縫製工場です。   当社では、日本で唯一のファッション専門職大学院   「文化ファッション…

続きをみる
news
TOPIC 2025.10.22

繊研新聞 2025/10/22 掲載されました 国内縫製工場アイエスジェイエンタープライズ

《縫製業のリアル~工場アンケート調査から~》① 工賃上昇も利益遠く 受注はまだら模様 抜粋 2025年10月22日更新 工賃上昇に一筋の光が見えるが、利益確保には遠い――国内縫製工場が岐路に立っている。 物価高…

続きをみる
news
TOPIC 2025.9.13

経済産業省 製造産業局様 来岐

当社、株式会社アイエスジェイエンタープライズ及び、 MSI協同組合に経済産業省の皆様がお越しになりました。 昨今の繊維産業の実情や 地方の生産現場の実情、 特定技能外国人制度について 様々な意見交換…

続きをみる
news
TOPIC 2025.9.11

《特定技能最前線~国内縫製の新戦力》㊦給与引き上げで定着図る 広がる役割、求められるスキル 繊研新聞

《特定技能最前線~国内縫製の新戦力》㊦給与引き上げで定着図る 広がる役割、求められるスキル 2025年09月09日 繊研新聞 在留資格「特定活動」で働きながら「特定技能1号」に資格変更希望している外…

続きをみる
news
TOPIC 2025.9.8

繊研新聞 2025/9/8 朝刊一面に掲載されました

繊研新聞 2025/9/8 朝刊一面に掲載されました 《特定技能最前線~国内縫製の新戦力》㊤待望の人材に高まる期待 日本で培った技術生かし かけがえない  岐阜市の縫製工場、アイエスジェイエンタープライズ…

続きをみる
news
TOPIC 2025.7.25

日本製縫製工場がJASTI監査で最高評価A判定を取得|高品質と信頼のアイエスジェイエンタープライズ

株式会社アイエスジェイエンタープライズは、経済産業省が推進する繊維業界の「監査要求事項・評価基準」 「JASTI(Japanese Audit Standard for Textile Industry)」の外部監査を受け、 最高評価である「A判定…

続きをみる
news
TOPIC 2025.7.14

パートナーシップ構築宣言

当社、株式会社アイエスジェイエンタープライズは、株式会社C-five様と 「パートナーシップ構築宣言」を取り交わしました。 今後も、パートナーシップ構築宣言を推進していきます。

続きをみる
news
TOPIC 2025.7.11

繊研新聞2025年07月11日 《魅力ある産業への道・特定技能制度と「JASTI」》

当社、代表取締役のコメントが 繊研新聞の 《魅力ある産業への道・特定技能制度と「JASTI」》④ 特定技能外国人受け入れ体制整う岐阜の縫製業 制度歓迎も負担など課題 2025年07月11日にて掲載されました。(一…

続きをみる
news
TOPIC 2025.6.16

繊研新聞に当社代表のコメントが掲載されました

【ファッションとサステイナビリティー】 《JASTI運用開始》国内工場、労働環境を改善 先駆けた対応で人材採用にも期待 繊研新聞社 2025年6月13日付(250613号) 国内工場で監査要求事項・評価基準「JAS…

続きをみる
news
TOPIC 2025.6.2

パートナーシップ構築宣言

当社、株式会社アイエスジェイエンタープライズは、 有限会社アプローチ様と 「パートナーシップ構築宣言」を取り交わしました。 今後も、パートナーシップ構築宣言を推進していきます。 パートナー…

続きをみる
news
TOPIC 2025.4.1

企業行動規範

私たちは、ステークホルダーの信頼を得ることが株式会社アイエスジェイエンタープライズ(以下当社という。)の発展・向上につながるという認識の基、当社の企業行動規範(以下本行動規範という。)を制定しました…

続きをみる
news
TOPIC 2025.4.1

人権尊重への取り組み

  人権尊重への取り組み 児童労働については現在も未来においてもしないさせないこととする 強制労働について、繁忙期の納期スケジュールを取引先と交渉し過剰な時間外労働をさせないこととする …

続きをみる

CONTACTお問い合わせ

縫製をご依頼されたい法人様へ
まずはお気軽にお問い合わせください。

既製服 / 高級 / 高級ブランド / 高級婦人服ブランド / 高級紳士服ブランド / 高級婦人服縫製工場 / 高級婦人服縫製 / 高級婦人服 / 高級紳士服縫製工場 / 高級紳士服縫製 / 高級紳士服 / カジュアルブランド / ホワイト / ホワイト縫製工場 / ホワイト縫製会社 / クリーン / ファッション