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TOPIC 2025.9.11

《特定技能最前線~国内縫製の新戦力》㊦給与引き上げで定着図る 広がる役割、求められるスキル 繊研新聞

《特定技能最前線~国内縫製の新戦力》㊦給与引き上げで定着図る 広がる役割、求められるスキル

2025年09月09日 繊研新聞

在留資格「特定活動」で働きながら「特定技能1号」に資格変更希望している外国人材(アイエスジェイエンタープライズ)

在留資格「特定活動」で働きながら「特定技能1号」に資格変更希望している外国人材(アイエスジェイエンタープライズ)

 

 在留資格「特定技能1号」で働く外国人材の受け入れを始めた縫製工場にとって、今後の課題は待遇改善だ。その柱が給与水準の引き上げだ。

加点式で評価

 特定技能外国人の多くが、稼ぐために来日している。それもあり、技能実習時代と同じ給与では不満が出る可能性がある。また、特定技能外国人は技能実習生と違って転職が可能。従来より高い給与設定にするのは、技術力の高い人材により長く働いてもらうための重要な要素になる。

 ヴェルデュールは特定技能外国人の給与を技能実習1、2号と比べると15%増に設定した。戦力として会社が評価するとさらにアップさせることも視野に入れる。「会社も選ばれる時代。給与に傾斜を付けることでモチベーションを高めてもらいたい」と近藤知之社長は話す。

 これから受け入れていく予定という河瀬縫製の河瀬良隆社長も、「給与には差を付けていく」考えだ。評価項目を定めて、加点式で能力や成果を評価する。それを賞与に還元する計画だ。

 アイエスジェイエンタープライズの井川貴裕社長は「イメージとして技能実習1、2号がほぼ同じとすると、3号はそこからチャージアップしている」と話し、「特定技能1号はさらに上げる予定」と強調する。

 特定技能は「日本人を雇うよりも経費がかかる」としばしば言われている。実際、給与以外にも登録支援機関への費用などの経費がかかる。それでも、1人につき「優秀な人材は年間400万円程度かかったとしても、のどから手が出るほど欲しい」と話す。これは日本人縫製工員と比べても遜色(そんしょく)ない水準だ。

 給与の増額は、求められるスキルが増えることも意味する。「技能だけでなく、性格や協調性など高い人間性」「後輩の指導や簡単な社内通訳など社内の橋渡し」といった技能実習時代よりも幅広い貢献を期待する経営者は多い。そうした点への理解を深めてもらうのもミスマッチを防ぐには大事だろう。

「2号」への期待

 今後は「特定技能2号」に認められるかどうかが焦点となる。1号は在留期間の上限が5年だが、2号には上限が無い。

 政府から「技能実習制度で賃金の支払いに関する違反が多い」と特定技能受け入れに係る追加4要件を課された繊維業だが、今後法令順守の徹底によって、2号の対象分野に追加される可能性もある。

 さらに特定技能外国人の多くが結婚しており、子供やパートナーなどが母国にいるケースは少なくない。ヴェルデュールに来た人も「母国にいる家族に会いたい」と思いを吐露する。2号だと配偶者・子の帯同が可能なことも彼らにとってメリットとなる。

 

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